人々の歴史・・・ 水瀬名雪。 彼が好きだった。でも彼は私の気持ちを知らない。 このままでいい、彼には他に好きな子がいるのだから。 美坂栞。 怖くなかった。死ぬことは。 ただ、自分の存在が消えることは、悲しかった。 消える私に、心を寄せてくれる人がいる。 沢渡真琴。 ただ会いたかった。私のためにした事が、捨てられたと思った恨みのために。 そして、その彼の暖かいぬくもりに触れたかった。 川澄舞。 あの日のあの子はもう居ない。私を信じ、私の前から姿を消したあの人。 感情を失くすほどの過去を、黄金の麦畑を、まだ私は覚えている。 月宮あゆ。 ただ限りなく好きだった、勇気をくれた人。 幸せが怖かった。幸せでないと怖かった。幸せが崩れることが怖かった。 逢いたい、ただ逢いたい、あの人に。それだけ。 その願いは叶えられることもなく月日は流れて行っている。 しかし、奇跡は別の形で起きた。 そして、夢の扉を、今開く。 相沢祐一。 5人の少女に選ばれた、ぶっきらぼうの中に優しさを持っているごく普通の平凡な高校2年生の少年。 彼は、彼女たちと彼女らに関わるものたちに、一体何をしてやれるのだろうか――― 忘れた過去の記憶を取り戻しつつ、そのために翻弄する、一つの物語の主人公。 水瀬秋子。 相沢祐一の母の妹。高校を卒業してすぐ結婚し子供を産む。 夫と自分の父母は交通事故で他界。遺産は姉と分与したため 今のところ経済的には困ることはない。 今は35歳だが実際年齢より見た目は若く見える。 主婦だが今は事務のパートをやっている。 趣味は特性オリジナルミックスジャム作り。 親族は姉と娘の名雪だけ。 (と言う、謎を解明すれば恐らく普通だったりすることを勝手に予想して設定) 名雪の成長を暖かく見守っている。 美坂香里。 妹が大好きだった。 病弱な妹を暖かく見守るのが仕事だった。 しかし、あの発作の激しい日に告げられた一言が、本人でない私でもとても痛かった。 それ以来私は妹との接点を消した。 悲しいことに涙しないように。 そう、相沢くんのあの時と同じように・・・。 天野美汐。 祐一さんは過去に悲しいことがあったためその部分の記憶が切り取られている。 真琴も、人間になれることを条件に命と記憶を消されている。 祐一さんも一部ではあるが記憶喪失なのに、真琴を記憶喪失は嘘といって咎めるのは 矛盾です。 私も、経験した悲しい過去と感情を捨て、今を生きている。 そう、記憶と奇跡を基にした、悲しいストーリーの中を永遠と・・・。 倉田佐祐理。 可愛い弟が病気で死んだ。 違う、私が優しくしなかったから、私が殺したも同然だ。 その時から、私は、この佐祐理と言うこの人間を客観的に見るようになった。 佐祐理を良いように言ってくれる人はたくさんいるが、それは他人に作られた私。 自分が何かに積極的になることはなかった。 だが、一人の少女を見て、その子を幸せにしたいと頑張るようになった。 雪の降る小さな町で語られる、一つの小さな小さな奇跡のストーリー………。